「奥村政佳 脱退のお知らせ」

いつもRAG FAIRを応援してくださり本当にありがとうございます。

この度、2019年4月22日をもちましてメンバーの奥村政佳がRAG FAIRを脱退することとなりました。

突然のご報告となりましたが、奥村政佳の新たな人生の選択をご理解いただけますと幸いです。

奥村は脱退いたしますが、RAG FAIRはこれまで同様活動を続けて参ります。

RAG FAIRの音楽やライブなどを通じて、これまで宝物のような時間を共有してくださった皆様に、あらためて感謝申し上げますと共に、これからも引き続きRAG FAIRを応援いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


RAG FAIRメンバー、スタッフ一同



以下、メンバーからの言葉になります.

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

いつも応援してくれている皆様、ありがとうございます。

突然ですがこのたび、僕はRAG FAIRから離れ、政治の道へと進む決心をしました。

2011年、グループの一時活動休止のあと、音楽活動と並行して多くのことに取り組んできました。

各地での災害支援、気象・防災教育の研究や実践、講演活動、そして主任保育士としても現場に立った合計8年間の保育の経験など、

実際に足を運び、人と話し、肌で感じ、そして勉強する中で、いま僕たちが抱えるこの国の様々な問題を目の当たりにしてきました。

その中で考えたことは、自分で動かねば変わらないこともたくさんあるということ。

自分の子どもも生まれ、育ててゆく中で、ぼくらの未来をつくって行かねばならないということ。

そして新しい時代を迎えようとするこの春、メンバー一人ひとりと話し合いを重ね、今回の決断に至りました。

結成から今まで、20年間活動してきたRAG FAIRは、かけがえのない存在であり、僕の誇りです。

そして良い時も悪い時も、常に僕のそばにいた、心のふるさとです。

RAG FAIRのファンとして、いつもあたたかく支えてくれたみんなにも、本当に感謝しています。

しかし今回、そのふるさとから旅立つ決心をしました。

志を果たし、胸を張って帰れるようになるまで、そのふるさとの土をもう一度踏むことはありません。

腹をくくり、いまは選んだ道で一生懸命やって行きたいと思っています。

これからもRAG FAIRには、ファンの皆さんと、支える心強いスタッフがついてくれています。

どうかこれからもRAG FAIRをよろしくお願いいたします。

2019年4月 おっくん(奥村 政佳)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

学生時代にはアメリカでアカペライベントがあれば飛んでいく。

震災後にはすぐに現地に入って、ニーズに合わせて動く。

保育士の資格を取れば、フルタイムで数年間働く。

おっくんはいつも現場にいく。

RAG FAIRに関してもそうだった。

20年前におっくんの目の前で歌ったら、いつのまにかメンバーに加わっていたのだから。

興味を持ったら止まらない彼が、さすがに今回は悩みに悩んだのを知っている。

時に呑みながら何度も話したが、引き止めたような気もするし、後押ししたような気もする。

「オレにはそのパワーがないけど、一度『絶対やめとけっ』ていう人とも話した方がいいよ」

そう言ったことを覚えている。

でも止まらないよなあ。だっておっくんだもの。

メンバー内では貴重な酒呑み仲間が減ってしまって寂しい。

今度呑む時には

「そっちのオトナたち全然ハモってないんじゃないの?プロが入ってんだから頼むよ」

とか言うんだろうか。ハモり方教えてあげなさいよ。

驚かせてしまった方、本当に本当にすみません。

でも先は長いです。

ひとつ専門分野が増えたおっくんがボイスパーカッションしているRAG FAIRを想像しながら、面白いことをまた考えようと思います。

これからもRAG FAIRをよろしくお願いします。

引地洋輔

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

遂にこのタイミングが来たのかと言うのが最初におっくんの口から話を聞いた時に抱いた気持ち。

昔からおっくんは政治の世界に関心を持ち、勉強していました。

RAG FAIRの活動を一旦休止してからは、保育士の資格を持ち保育園で働き、主任として面接もする立場を経験。

東日本大震災があった時は、何か力になれればと毎週の様に被災地に出向き、

半島を順に訪れ、それぞれの半島の人に、あっちの半島には、こういった事が詳しい人がいるなどの情報伝達役を担っていたりした。

そこにいなければ分からない現場の声を僕らにいつも丁寧にわかりやすく説明してくれていた。

おっくんがRAG FAIRを脱退すると言う事は、正直実感がありません。

僕らは、RAG FAIR以外にも色んな事をやってみたい人が集まったグループです。

それぞれの人生がある。「解散」と言うキーワードが出たグループです。

でも僕らは解散をするのを辞めました。一生RAG FAIRでいる事を決めました。

それぞれの人生を尊重し、全員のタイミングがあった時がいつでもRAG FAIRなんだ、そのスタンスでここ数年は活動をしてきました。

だから正直脱退する必要がない。これが最初の僕の個人的な感情でした。

でもおっくんの言う、政治の世界は生半可な気持ちでは務まらないと言う事を理解し

日本の文化として、政治の世界とエンターテインメントの世界が共存しづらいという現状での脱退と言うのも理解しました。

おっくん頑張れ。右とか左とか僕にはわからないけど、おっくん頑張れ。

おっくんは仲間です。大好きな仲間です。

二度と戻ってくるんじゃねーぞ。

土屋礼央

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

おっくんの新しい一歩について、彼は随分前から、社会の問題や動きに常に目を向けていました。

そのため、3月におっくんから相談を受けた時には「ついにその時が来たか」という感じで驚きはしませんでしたが、その後 話し合いを重ね、4月に発表という急展開にはついて行くのがやっとでした。

RAG FAIRのライブを楽しみにして下さっている方々も、話が急過ぎてすぐには受け止められないかもしれませんし、また、メンバーとしても20年来の仲間が旅立つのは辛いことではありますが、仲間だからこそ背中を押してあげたい気持ちがあります。

おっくんと話をする中で、彼のRAG FAIRへの愛情も変わらずにあることを感じ、メンバーとしてとても嬉しかった。しかし、そんなRAG FAIRを離れてでも果たしたい志が彼にはあり、決意は揺るがないものでした。ならば仲間として出来ることは気持ち良く送り出してあげること、そして僕たちの「ふるさと」RAG FAIRを守り抜くこと。

まだまだ長い人生、先のことは分かりませんが歳を重ねたらいつかまた一緒に音楽を奏でることもあるかもしれない。その時を楽しみに僕も頑張るし、おっくんにも新しい世界で頑張ってほしいと思います。

加藤慶之

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

おっくんからの話を受けて、何度もメンバーで話し合いを重ねました。また、おっくんと1対1でも話し、お互いの思いのたけを全て語り尽くすまで何度も語り合いました。その話し合いの中で、彼の揺るぎない意志の強さを感じ、真摯にものごとを語る彼の姿から、紛れもなく本気なのだと実感しました。

常に一歩先を見て、その行動力で自分の人生を次々と切り開いてきたおっくん。

おっくんは、今、人生の中で自分がやらなければならないことを見つけてしまったのかもしれません。RAG FAIRメンバーとしては寂しいというのが率直な気持ちですが、20年来の友として、あるいは言わば兄弟として、これからの航海が充実したものであることを、この同じ空の下、心から祈っています。

荒井健一